<武田 信義>
作者コメント:国宝光琳の「燕子花図」の部分を取りました。

●黄瀬戸輪花鉢(きせとりんかばち)
緑色のタンバンの発色がとても綺麗です。このタンバンの配置や大きさが作品の出来栄えを左右します。そして中央に線彫りされた花が何とも言えぬ優しさを添えています。

●杜若陶板(かきつばたとうばん)
粘土をひたすら叩き伸ばして板状にしました。陶板は乾燥時や焼成時にひびや反りが生じやすく作るのが非常に難しいのですが、見事に平らに焼きあがりました。そしてその上に描かれた光琳(こうりん)屏風絵の杜若が見事です。杜若の群青色は作者が色合わせをして作り上げました。

●赤楽花入(あからくはないれ)
作者自身が炭を切り、ふいごで風を送り七輪で焼成しました。また掛け金具も作者自身が作り上げました。

●緑釉楽焼杓立(りょくゆうらくやきしゃくたて)
楽家13代惺入(せいにゅう)の写しです。細かい細工のため作陶中に何度となくひびが入り、修正してはまた作っての繰り返しで完成に至った力作です。
鮮やかな緑色は丁寧な筆塗りで仕上げました。

●乾山写し色紙型皿(けんざんうつししきしがたざら)
乾山の色紙皿の写しです。作者が絵付けの絵の具を調合して風合いのある色を出しました。繊細な線のタッチが絶妙です。