<馬場 芳彦>
作者コメント:作陶歴4年半。土の扱い、成形、絵付、釉がけ等、どれも未熟です。しかし学んだ事は多くあります。鑑賞だけでは感じなかったものが、良い作品を捕ろうとしたとき、強烈に伝わるものがあります。陰と陽、アンバランスのバランス、わびとさびといった感性によって感じ取る奥の深さ、表現力の豊かさです。最近美術館へ行く回数が増えました。進歩は遅いですが、これからも続けられそうです。

●赤楽茶碗
楽焼の祖師、長次郎の写しです。本物よりも高温で焼き上げてありますが、赤楽茶碗が持つ優しさを出し丹精な作り込みが見事です。また見込み(内側の底部)も古式の作り方をしています。

●赤楽筒茶碗
これはやや低温で楽焼成しました。手捏ねで手の内で作り上げたので、作者の手に馴染む形に出来上がりました。やさしい赤の発色が抹茶の緑色と良く合います。

●絵志野水指(えしのみずさし)
焼き締まったため、丈が少し短くなってしまいましたが、口縁部を玉縁(土を外側に丸め込む技法)で仕上げ、当時の暖かさを出している作品です。

●四方花絵皿一対(よほうはなえざら)
作者自身が言うように、陰と陽を見事に表現した作品となりました。一方は全体が茶色に仕上がり、絵も枯れた感じで男性的です。もう一方は白を強調して花も女性的に描いています。また双方とも花は柔らかく描き、籠は勢いをつけ強く描くことで遠近感を表現しました。