<S.K>
作者コメント:通りがかりの看板が気になって一ヶ月めの土曜日、授業中の陶楽を訪ねました。やさしく 教えて下さりそうな雰囲気で、そのまま入ってしまいました。一年半で十作に至らないの は作陶がお茶飲みと勘違いしたからです。出来上がりに反省しますが、都度新鮮でストレスにならないのは欠点です。

●湯のみ
形状は光悦の赤楽茶碗の名品である【弁財天】(べんざいてん)を写しました。お湯のみではありますが、どこか品があり、光悦らしさを感じさせる作品です。

●黒織部茶碗(くろおりべちゃわん)
桃山後期から江戸初期に開花した織部茶碗は、白い抜き窓がある茶碗を【黒織部】と言い、黒一色の茶碗を【織部黒】と言います。踊るような筆さばきが、その時代の空気を見事に表現しています。

●志野織部香炉(しのおりべごうろ)
桃山時代の織部焼の写しです。ほのぼのとした絵付けと、キリっと角の立った三つ足が絶妙なバランスで、織部焼の特徴を良く表しています。

●青織部茶碗(あおおりべちゃわん)
緑の発色があまり出ませんでしたが、この作品は絵付けが見所です。陰と陽を表現するために、線の太さや筆運びに変化が出るように何度も練習し描き上げた秀作です。

●志野織部深向(しのおりべふかむこう)
このように筒状の向付を深向と言います。桃山時代に作られた志野織部の写しで、織部焼特有の柔らかさが上手く表現されています。この作品は素焼きをせず、十分に乾燥させたあと、直接絵付けと釉薬をかけて焼き上げました。